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不登校、子育て、パートナーシップ、多様性、虐待(身体的・精神的・性的・ネグレクト)など、様々なテーマに沿ったインタビューを掲載。どんな体験だったのか?どうやってそれを乗り越えたのか?そこから得られたものは?など、セラピーを継続したからこそわかる珠玉の体験談です。

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    • Interview〈インナーチャイルドと7つのチャクラ〉 2021年5月7日Interview〈インナーチャイルドと7つのチャクラ〉
       HEセンタープレゼンツ 〈インナーチャイルドと7つのチャクラ〉   “ハートの教育”を目指し提供する「ハートエデュケーションセンター」のセラピストが、ひとつのテーマをもとに語り合います。今回はみなさんも一度は耳にしたことがある「チャクラ」と、インナーチャイルドワークの驚きの共通点についてお届けします。チャクラと内なる子ども(インナーチャイルド)には、一体どのような関係があるのでしょうか?   川村=川村法子(HEセンター代表) 事務局A=オンラインハートカレッジ事務局Asami(インタビュー&文)   事務局A=今回は川村さんとわたしでお話を進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。   川村=はーい。よろしくお願いします。   事務局A=チャクラといえば、大昔から存在している概念かと思います。ウィキペディアなどで調べてみると(笑)、サンスクリットで 車輪などを意味する言葉で、身体に点在する無数のツボ=小チャクラと、身体の中心に7つのエネルギーポイントとして存在している=大チャクラがあると言われているそうです。各大チャクラには音や色もあって、大昔から7つのチャクラにアプローチする秘技やプラクティスが盛んに行われてきたそうですが、このチャクラとインナーチャイルド、どのような関係があるのでしょう?   川村=私もインナーチャイルドワークのベーシック講座を提供するようになり、数年前にオンラインでチャクラに関する講座を行っている時に、「あ!」とその共通点に気づいたんです。 私は以前、スピリチュアル系のワークによく参加していました。年齢的なこともあると思いますが、当時は「心理学より瞑想だ!」という感覚があったんです。20代半ばでうつ症状のピークが訪れ、積極的にヒーリングやエネルギーワークに参加していました。ですが、現実の健康やパートナーシップが一瞬は良くなったかのように見えても、その後、さらに大きな波乱が起こるという繰り返しでした。その後、31歳の時に心理学「インナーチャイルドワーク」に出会った時は「これだ!」とびっくりするような衝撃を感じて、そこから徹底的に置き去りにしてきた子どもの頃の記憶や両親との関係、身体に溜まったままリリースされていない感情、自分はどんなふうに育ってきたのか?などを見ていったんです。分かりやすくいうと、それまでは霊性(スピリチュアリティ)、みえない部分にばかりアプローチしようとしていましたが、肉体、そして感情や思考などを見るようになった、という感じです。   事務局A=なるほど。思考や感情は目にみえませんが、不安を感じているとお腹が痛くなったり、考え過ぎると頭痛がしたり、それが進むと大きな病気にかかったり、心と身体は連動していることが最近ではもう多くの方が当たり前のように認識されていますよね。身体に現れている症状から心にアプローチしたり、そもそもその感情ができあがった大元の原因にインナーチャイルドワークでアクセスするようになっていったわけですね。 そして、大きな高次の存在とばかりつながろうとするのではなく、まずは自分自身を構成している心と身体を意識するようになった、ということでしょうか。   川村=そうですね。もちろんスピリチュアリティもとても大切ですし、以前参加していたスピリチュアル系のワークで得たことは今の私の講座にも大いに役立っています。ですが私たちは肉体を持ち、この地球に生きているわけなので、肉体•感情があることの意味は当たり前ですがとても大きい。触覚などの感覚器で自らを知覚し、感情に良いも悪いもないので“感じる”ことを体験していくことは、大きな意味があると感じています。そこを抜きにして、大きな存在との一体感ばかり求める傾向になるのは、もしかしたら「もう傷つきたくない」という防衛なのかもしれませんよね。そうなっている時、その大いなる存在すら、自分自身がつくりだした幻なのかもしれない…。   事務局A=私は長くセラピーに関わる雑誌や書籍の編集をやらせていただいていますが、身体も感情も思考も精神も霊性も、すべてがとても大切だなとさまざまな方の取材を通して教わりました。みなさん入り口が違うだけで、結局はすべてを網羅されていくように思います。私自身も本当に牛歩のような歩みですが(笑)、すべての扉を少しずつ耕していっているのかなぁ〜なんて思うことも。きっとすべての要素が人間を構成しているのでしょうね。そんな目で娘を眺めた時、「人はなんて尊い存在なんだー!」と感動したことがあります。   川村=私も肉体や感情、自分自身を見ていくことで、それまでの知識や経験がすべてつながり、知識が知恵に変化していった感覚があります。そしてこの「チャクラ」こそ、すべてをつなげてくれるもののような気がします。 「チャクラ」というと、とてもスピリチュアルな感じに捉えられがちですが、ものすごく肉体、そして現実にもアプローチしていきます。   事務局A=2018年から茅ヶ崎で7ヵ月間開催された「チャクラ心理学」に私も参加者として参加しましたが、朝から夕方まで動きっぱなしでした(笑)。確かに、チャクラ心理学の講座に出るようになって、感覚に変化がありました。言葉で表現することが難しいのですが、自分の輪郭がハッキリしていきながらも、内側に宇宙のような広い空間を感じるような、まるで宇宙とつながっているような、そんな体験がたくさんありました。 私は気がつくと意識が身体の外に出ているような感覚になることが多く、「その場に肉体はあるのに、心、思考はいない」タイプだったんです。母親もそういうタイプで、幼少期は「いるのにそこにいない」母親がこわくって、「戻ってきて!」と弟と妹と母を呼び戻した思い出が何度もあります。母には「いや、いるから」と怒られていましたが…。子どもは本当によく分かっていますよね。チャクラ心理学と共にインナーチャイルドワークも受けていましたから、チャイルドのケアとともに、チャクラ心理学で開拓されていく自分自身のスペースにとても安心しました。「私はここにいる」「ここにいてよい」と現実のその場所に、自分自身の身体にくつろげるようになってきた…という感じです。   川村=インナーチャイルドとチャクラのつながりも、そこにあります。みなさんご存知のように、7つのチャクラは誰の中にもあります。ですがその時の自身の状態によって、チャクラの動きが鈍くなったり、残念ながら動きが悪くなってしまうことがあり、その動きを円滑にしていくことが「チャクラ心理学」の講座の取り組みです。「チャクラ心理学」では、チャクラやの基礎的な理解から、参加者さんひとりひとりのチャクラの状態をみていく「チャクラのエナジェティックリレーションシップ」も行っていきます。 まず簡単にチャクラのことを説明すると、第一チャクラ【ベースチャクラ】は安全、安心、グラウンディングに関わるチャクラです。ここはまさに家族、親戚、地域のコミュニティや学校など所属することにも関わっています。大きな目でみると国や生まれた時代などとも関わっていて、まさに生きる根幹のベース部分になるチャクラです。ここが安心安全を感じて大地にどしっとグラウンディングできていたら、このベースチャクラは生き生きと動いているでしょう。例えば事務局Aちゃんのように、母親が不安定な状態で幼少期を過ごしていたら…この根幹の部分のチャクラも不安定になりますよね。だって、安心安全を十分に感じられないから。きっとここが安定していたら、自身の身体やコミュニティの中に違和感なくいることができると思うのです。   事務局A=いや、まさに本当にその通りです。もっともっと、居心地の良い身体にしていきたいです。 続けて次の第二チャクラが【セイクラルチャクラ】ですよね。ここは感じること、インナーチャイルド、セクシャリティ、ニーズ(欲求)などの場所でしたね。   川村=そうです。ここは子どものような無邪気さやワクワク感、喜びなどを持つインナーチャイルドの場所であり、セクシャリティのチャクラでもあります。セックスは大人の行為ですが、そこにある喜びは子どもの質です。そしてニーズにも関わっていて、「あれをしてみたい」「これにチャレンジしてみたい!」という欲求も司っています。もしも子どもの頃に、「あれはダメ」「これは危険だからダメ」「危ない」と禁止ばかりされていたり、怒ること、悲しむこと、恐がること、喜ぶことを「男の子なんだから泣いちゃダメ」「こんなことくらいで泣かないの」「みんな我慢しているんだよ」などと抑圧されていた場合…。もう想像がつきますよね。チャクラの動きも抑圧されるわけです。きっとセクシャリティやニーズが歪んだ形で表現されてしまうと思います。 そして第三チャクラ【ソーラープレクサスチャクラ】はアイデンティティ(自我)、個であること、意志に関わっています。ですが、第一チャクラと第二チャクラが不安定な状態にあったら、個であることやアイデンティティは感じられず、「他者から見られる自分」にばかり気をとられるようになっていきます。   事務局A=チャクラを下から順に見ていくと、人の成長過程とチャクラの在り方に大きな関係があることが分かりますね。   川村=チャクラのワークは、第四【ハートチャクラ】の交流、スペース、愛、第五【スロートチャクラ】の自己実現、コミットメント、第六【ブラウチャクラ】の智慧、直感などに主にアプローチするものが多いように感じているのですが、第一から第三チャクラが不安定なのに、ハートを開いたり、ミッションを生きたり、高次の存在とつながって直感を発揮しながら生きることは難しいのでは…と自分自身の経験からも思います。   事務局A=実際、好きなことを仕事にして生きていく場合、交渉、お金のやり取り、本音で話すこと、被害者と加害者からの脱却、責任をとることetcなど現実的なことが求められますよね。第一から第三までの土台が固められていないと、なかなか自分の足で立つことが難しい状況になるのかも…なのですね。   川村=子育てや子どもに関わる仕事に就かれている方にとってもこのチャクラの理解はとても大切で、もしも家系から引き継がれた負の連鎖を断ち切りたい場合も、自分自身のチャクラを整えて活性化していくことで、自分の在り方が変わりますから、そこから子どもに与える影響は大きいですよね。子どもは親や側にいる大人のエネルギーとしての在り方を一番に模倣しますから。子どもだけでなく、パートナーシップにも影響を与えることは想像できるかと思います。インナーチャイルドケアの理解を取り入れながら、チャクラのエネルギーを変容させていくわけですから。   事務局A=良くも悪くも、チャクラのエネルギーは自分にも周囲にも大きな影響を与えるということですね。   川村=本当にそうなんです。冒頭でお話しましたが、インナーチャイルドワークを提供するようになり、その中身とチャクラの講座でお話していた内容がびっくりするほど共通していて、「チャクラ心理学」を提供するようになりました。私自身、とても思い入れのある講座でもあります。   事務局A=最後に、質問をいただいているのでお答えいただけたらと思います。 あるセラピストさんからいただきました。「自然療法とチャクラにはどんな関係がありますか?」というご質問です。   川村=これはとても良い質問ですね。ありがとうございます。 精油、ホメオパシー、バッチフラワーレメディなどをチャクラの理解とつなげる時、オーラや次元について理解していく必要があると感じています。諸説ありますが、わたしが学んだこと、わたし自身が実感してきたことをお伝えしますね。 ①肉体 ②エーテル体 ③アストラル体 ④メンタル体 ⑤コーザル体   次元について、わたしは上記のように考えています。 基本的に植物界のエネルギーはとても高いといわれていて、バッチフラワーレメディの世界では、⑤コーザル体から来ているとされているそうです。精油は植物の抽出物なのでフラワーレメディよりから希釈度は低いととれますが、スピリチュアルなレベルでいうと五次元以上に属するはずです。 これはチャクラ心理学の学びでもありますが、どの自然療法にしても、①肉体レベルという物理次元に作用させていく必要があると思うんです。そのために必要なことが、③アストラル体を整えていくことが大切になります。アストラル体は感情なども所属する場所といわれていて、ここが混沌とし過ぎていると、精油やレメディ、ホメオパシーの影響が肉体に降りてくるまでに時間がかかると感じます。物理レベルでの精油の影響やエーテル体レベルでのホメオパシーの影響は受け取れますが、アストラル体は混沌としたままなので、しっかりメンタル、コーザルとつながることができず、好転反応に苦しんで、結果何が起こったのかわからないという人は多いのです。インナーチャイルドの癒し用とされるホメオパシーをとって、2~3ヶ月寝込んだ結果、なんだったのかよく分からなかったという話はよく聞きます。なぜなら、アストラル体がカオスだと、メンタル、コーザルの精妙なエネルギーとつながることができず、波動が粗いままだからです。 アストラル体に関係しているのは第四チャクラです。ハートチャクラだけにフォーカスしてもあまり意味がないことはお伝えしているので、やはり第一から第三チャクラまでを整えて、健全なハートチャクラを開花させていくことが大切だと思います。これはクライアントさんのこととも捉えられますが、セラピスト側のアストラル体が整っていることももちろん大事ですよね。このような次元についてのお話も、チャクラ心理学の講座の中ではお伝えしています。質問のお答えになっていたらよいのですが…。   事務局A=なるほど。さまざまな方向からみたアプロ―チがあるのですね。お答えいただきありがとうございました。チャクラはやはり、大昔からある概念だけに、とても広くて深くて面白くって、わくわくしますね。   川村=本当にそうですね。   事務局A=それでは、今回もお読みいただきありがとうございました。また次回をお楽しみに!   川村=ありがとうございました。   オンラインチャクラ心理学のコースついてはコチラをご覧ください。 2021.5.7
    • Interview〈インナーチャイルドの視点から“ミッションを生きる”を語ろう!〉 2020年12月15日Interview〈インナーチャイルドの視点から“ミッションを生きる”を語ろう!〉
      HEセンタープレゼンツ 〈インナーチャイルドの視点から“ミッションを生きる”を語ろう!〉   “ハートの教育”を目指し提供する、「ハートエデュケーションセンター」のセラピストが、ひとつのテーマをもとに語り合います。今回はシンガポール在住で「NVC(非暴力コミュニケーション)」などを伝えている、美季アムリタさんをゲストに迎え、お届けします。 川村=川村法子(HEセンター代表) 美季=美季アムリタ。NVCシンガポール代表、ジョージワシントン大学ビジネススクール 国際ビジネス専攻経営学修士(MBA) 事務局A=オンラインハートカレッジ事務局Asami (インタビュー&文)   事務局A=今回はインナーチャイルドワークの考えも取り入れながら、自身と向き合い続け、海外で活躍している美季アムリタさんをゲストにお招きしました。どうぞよろしくお願いいたします。   美季=よろしくお願いしま~す。   川村=美季さん、今日はありがとうございます。こうして〈ミッションを生きる〉ことについて、美季さんと話せて嬉しいです。 美季さんと知り合って、もう10年近くは経ちますかね? 美季さんは覚えていないかもしれませんが、ある講座で向かい合わせに座り、その帰りにバスの中から歩いている美季さんを目撃して、しばらくしてから当時オーガナイズをしていたワークに美季さんから申し込みがきたりして、再会した時は勝手に驚きました!その後、個人的に会ったりしながら次第に仲を深めていきました。当時「縁がある人とは、必ずこうして出会うことになっているんだなぁ」と感じたことを覚えています。   美季=イーシャ(川村)からはメールセッションを受けているんだけど、それももう8年くらいになるかな? とても信頼しています。   事務局A=まずは、美季さんが提供されている「NVC(非暴力コミュニケーション)」とはどういうものなのか、教えていただいてもよいですか?   美季=「NVC=Nonviolent Communication」です。自分と相手のハートの声に耳を傾けるコミュニケーションスキルで、観察(Observation)・感情(Feeling)・ニーズ(Need)・リクエスト(Request) の4要素を主に使い、言葉の奥の真の意図をみていきます。 自他共に平和になれるスキルと言われていて、わたしはシンガポールの代表を務めています。現在はコミュニケーションのための占星学、カップル・コミュニケーション、ソフィア・セルフリーダーシップなどを提供していて、最近ではDV被害を受けている女性たちを保護するシェルターなんかでもセッションを行わさせていただいてます。   川村=わぁ!それは素晴らしい活動ですね。HEセンターもいつか、そういった活動をしていきたいと考えていたところです。   事務局A=美季さんはシンガポールを代表する女性起業家20人に選ばれているそうですね。こうして話しているだけでもパワフルさを感じますし、こちらまで元気になってきます。 では、本題である、“ミッションを生きる”ことについて伺いたいのですが、ミッションとインナーチャイルド、このふたつにつながりはあるのでしょうか?   美季=インナーチャイルドは基本というか、すべてに関わってくることですよね。むしろ、関係ないことって、ないんじゃないかな。 ミッションって「今日からこれがわたしの使命だ!」とかいうものではなくって、「取り組み続けていたら、ミッションになっていた」っていう感覚。目の前にある現実から目をそらさないことが大切で、自分にとって簡単なことはミッションにはならない。傷ついたり悩んだりしてきて、自分と向き合い続けてきたことが「振り返ったらミッションになっていた」という感じかな。   事務局A=具体的には?   美季=わたしの場合だけど、子どもの頃、パパはいつも家にいるわけではなくて、日曜日になるとお土産を持って現れる存在だったの。わたしはパパが大好きで、会える時は本当に嬉しかった。そして、正確にはいつ離婚したかは分からないけど、ママとパパはすでに離婚していたことを、6年生の卒業式の後に聞かされました。それまで隠されていたことも、とてもショックだった。 わたしは高校から海外に出ているんだけど、18歳の頃には強い結婚願望があって、お嫁さんになることが夢だったの。当時同棲していたパートナーもいて、だけどある時、浮気をされたんだ。わたしはすごく一途で、愛が広くて重すぎるみたい。もちろんパパとのことも、パートナーシップに影響しているでしょうね。 こんな感じで、その後もパートナーシップを良くしたくって、自分の内と外、さまざまなことを見続けてきました。そうしたら、今、自分の提供しているものもパートナーシップを扱うことで。 思うに、今まで付き合ってきた男たちは、ミッションを生きるために、天から与えられてきた男たちだったんじゃないかと(笑)。   川村=わたしも同じく、子どもの頃、父は不在でした。また、子ども時代に性的トラウマを受けた経験もあります。幼少期の痛みはとても苦しくてつらいものでしたが、わたしもその傷を癒したくて取り組んだセラピーが今は仕事になっていて、ミッションだと強く感じています。 コースでは伝えていることなんですが、〈両親は与えないことで、与えていた〉というHEベーシックコースの基本的なメッセージがあります。これは〈両親から与えられなかったことで自身が必死にもがき、現実と向き合い、それが結果としてかけがえのない力、スキルになっていた〉ということを現しています。   事務局A=なるほど…。わたしのイメージでは、ミッションは天から降りてくるような、そんな特別な感じがありました(笑)。 〈向き合い続けてきたもの〉がミッションになるというのは、なんだかすごく腑に落ちます。   美季=スキルがないと、結局は提供できないと思うんです。どんな職業でも、勉強して経験を積まないと技術は育たない。1万時間かけてやっとプロになれるといわれているけど、1万時間って約10年くらいかな?それくらいやれる情熱や真剣さも必要になってくるってことなんじゃないかと思う。 わたしには今、とっても可愛い子どもが2人いるんだけどね、パートナーとは色々あって、離婚しています。元旦那とのパートナーシップもかなりの学び、糧になったし、とても真剣に取り組みました。その経験が、今、しっかり活きてます。   川村=自分のことがみれないからこそ、その代わりに、自分と似た境遇の人を助けようと懸命になる人もいます。でもそうではなくて、まずは自分と向き合って、自分自身を救うことからはじめないと、他者を助けることは難しいですよね。自分の痛みと向き合っていなければ、真に共感することもできないと思うんです。だから自分と向き合い続けていかない限り、その先にあるミッションも見つからない。 インナーチャイルドワークの視点で言うと、傷ついたチャイルドたちと出会って、保護して、ニーズを満たしていったその先に、ワンダーチャイルドとの出会いがあります。ワンダーチャイルドに触れられるようになれば、自然と自分のやりたいことや表現したいこと、そしてミッションも分かるようになるし、現実もそれに合わせて動いていくと思います。 「ティール組織」で有名なフレデリック・ラルー氏が、「目的は見つけるものではない、目的が自分を見つけてくれる」と言っています。これは、目の前のことを必死に1万時間やってきたような人が、ふと気がついた時、“目の前に目的があることを知る”と言っているのではないかと思うんです。つまり目的って、マインドで考えてがむしゃらに目指すものや、マインドがなりたいと思っている自分になることではなくて、ただひたすらにやり続けられるほど、どうしようもなく惹かれ続けるものとの出会いなんじゃないかと。打算的にやっていたら真の目的とは言えません。その前に飽きるか、諦めてしまうことが多いのではないかと思います。   事務局A=なにはなくとも、やっぱり、現実逃避しないでしっかり地に足をつけて生きていくことが大切になるんですね。現実をみる強さが自分を助けるし、自分を生きることにもつながっていく…わたしは今、プロセス真っ最中なのですが、引き伸ばして現実を見ないようにしていた時よりも、今のほうが色々なことはあるけれど、エネルギーも現実も巡っていることを感じています。 そして個人的にですが、美季さんが提供されている、「コミュニケーションのための占星学」とても興味があります。ぜひ、二人でコラボレーションした講座などをしていただきたいです。   川村=わたしも美季さんの占星学にとても興味があるんです。美季さんの講座もHEセンターでぜひやりたいですね。   事務局A=美季さん、本日は貴重なお話しありがとうございました。ぜひまたどこかでお会いしたいです。   美季=こちらこそ、ありがとうございましたー!   川村=ありがとうございます。   事務局A=次回は、〈健康とインナーチャイルド〉についての対談を予定しています。お楽しみにー。 2020.12.15
    • Interview〈インナーチャイルドの視点から“家系から引き継ぐもの”を語ろう!〉 2020年11月9日Interview〈インナーチャイルドの視点から“家系から引き継ぐもの”を語ろう!〉
      HEセンタープレゼンツ 〈インナーチャイルドの視点から“家系から引き継ぐもの”を語ろう!〉 “ハートの教育”を目指し提供する、「ハートエデュケーションセンター」のセラピストが、ひとつのテーマをもとに語り合います。 今回は〈家系から引き継ぐもの〉についてお届けします。     川村=川村法子(HEセンター代表) けい=オーガニック関連営業企画、HEセンター認定セラピスト 事務局A=オンラインハートカレッジ事務局Asami (インタビュー&文)   事務局A=今回の対談は2020年11月にセラピストコース(現マスターコース)を卒業するHEセンター認定セラピスト、けいさんにお越しいただきました~。よろしくお願いいたします。   けい=よろしくお願いします。ところで、なんでこのテーマの時にわたしがゲストなんでしょう??   川村=けいさんは、これまで多くの「エナジェティック・リレイションシップ」に参加してくださり、活躍され、たくさんのことを受け取ってくれました。   事務局A=ぜひこの《家系から引き継ぐもの》というテーマはけいさんに伺いたいと思い、対談のお願いをさせていただいたんです。   けい=なるほど。確かに、「エナジェティック・リレイションシップ」では受けとるものが多かったです。わたしが答えられることであれば、よろしくお願いします。   事務局A=さっそくですが、けいさんがインナーチャイルドワークに参加するまでのいきさつを教えてください。   けい=とにかく仕事が大変だったんです。好きな仕事をしているはずなのに、なぜかいつもしんどくて。会社にどんなに貢献しても報われない感覚もあって、疲れてしまっていて。自分を癒したいと思って、まずはヨガを初めました。そこでヨガセラピストでもあり、HEセンター認定セラピストのTOMOMIさんに出会ったんです。「なんて癒される人なんだ!」と思って驚きました。   事務局A=TOMOMIちゃんとの出会いがきっかけだったんですね。   けい=そうなんです。2年くらいヨガに通っていたら、TOMOMIさんがそのヨガスタジオを辞めることになったと聞いて、すっごく悲しい気持ちになって。 インナーチャイルドワークを行っていると知って、そこから1年くらいかな?TOMOMIさんの個人セッションを受けていました。初めはすごく抵抗してましたけどね(笑)。   川村=その後、2018年に開催された横浜のベーシックコースに参加してくださったんですよね。そして、セラピストコース(現マスターコース)やチャクラ心理学にも参加してくれて…。まるでスポンジのようにたくさんのことを柔軟に吸収して、どんどん輝いていかれる姿が印象的でした。   事務局A=たくさんあると思うのですが、以前と現在で「ものすごく変化した!」と感じることがあったら教えてください。   けい=やっぱり仕事ですね。環境は変わってないんですが、わたしの捉え方が変化したことで、今では楽しく仕事ができています。 以前は猛烈な“世話する子”でしたから、とにかくわたしがやらなきゃ!頑張らなきゃ!と自分にムチ打って、がむしゃらに働いていました。 今は“世話する子”をやめれたんです。そんなふうに人と関わらなくてもいいんだと分かったことが、とても大きな変化でした。誰かの世話をすることで愛がもらえる、人とつながれる、コミュニケーションをとることができるとずっーと勘違いしてきたインナーチャイルドを保護することができたことは、かけがえのない出来事でした。   事務局A=わたしはまだまだ、家庭や人との関わりの中で“世話する子”をやっていそうです。母親の役に立つことで存在意義を感じてきたので、気づけばしなくてもよいお世話までしています…。 インナーチャイルドには「その方法しか知らなかったね」「そうすることでお母さんとつながれると思っていたんだね」「お母さんのことが大好きだったんだね」「それ以外のやり方をゆっくりみつけていこうね」と声がけしているところです。   けい=無意識でずーっとやり続けていたことだから、時間はかかりますよね。インナーチャイルドワークだけでなく、やはりわたしは「エナジェティック・リレイションシップ」も大きな助けになりました。初めは驚きましたけどね。   事務局A=わたしも驚きましたよ。「こんなセラピーがあるんだ!」って驚愕でした。 「エナジェティック・リレイションシップ」は家系図を使って、自分が問題や悩みだと思っていることに対して、自分や祖父母、親戚などの代理人を出して「座」を展開していくワークです。無意識に抱えているものが、実は先祖代々から引き継がれてきている可能性があるということを丁寧にみていきます。 感情だけでなく、身体感覚にも響くものがあり、大きな解放を感じる方が少なくないです。   川村=わたしも初めて受けた時はびっくりしました。インナーチャイルドワークと同じく「これだ!」という感覚がありましたね。それで、2017年から約2年間、トレーニングに参加したんです。今では個人セッション、ベーシックコースにも組み込んでみなさんにも提供しています。 インナーチャイルドワークの知識があったから、神秘的なワークだと捉えるのではなく、トラウマの根源になるようなものに触れられるという確信のようなものを感じていました。   けい=わたしはグループコースの数回目で、自分の座を開いてもらいました。今でも鮮明に覚えています。 「エナジェティック・リレイションシップ」を行ったおかげで、自分の素直な気持ちにも気づきました。こじれてしまっているように見えた家族だけれども、そこにはきちんと愛があったんだなぁーと知ったんです。わたしは両親はもちろん、たくさん可愛がってくれたおばあちゃんのことも「大好きだったんだー!」って思い出しました。 表面上は「嫌い」とか「イヤだ」と感じているように思えても、本当は大好きで大好きでしょうがない感覚というか…。この感情を取り戻せたこと、認められたことは喜びです。 そうそう、講座を受けてからもうひとつ大きな変化がありました。わたしはずーっと「人間になりたい」と思い続けていたんです。もちろんすでに人間なんですが(笑)、いつも自分が今どこにいるのか分からない感覚があって。身体から抜けてしまっている感覚、解離した状態というか…。それがまったくなくなりましたね。自分の身体は今ここにあって、その中にいるとはっきり知覚できています。   イーシャ=その感覚、わたしも昔ありました。自分なんだけど、自分じゃないような状態。それがなくなって、良かったです!   事務局A=わたしもありました。離人感!たしかに、自分を知覚できるようになってから、物事をはっきりと感じることができるようになりました。 「エナジェティック・リレイションシップ」でわたしが感じたことは、代々ずっーと同じコミュニケーションの在り方が引き継がれているということ。例えば、わたしと母の間だけでなく、母と祖母、祖母と曾祖母…というように、つらくてしんどい関わりが「愛の誤解」として脈々と引き継がれていることが分かった時は、本当に驚きました。そしてそれを終わらせようとすると、痛みを感じることにも…   川村=子どもは、両親やおじいちゃんおばあちゃんが大好きですから、その在り方を模倣します。大好きで愛しているからこそ、その在り方、やり方を模倣する。目にみえないエネルギーも、もちろん模倣します。 わたしは「エナジェティック・リレイションシップ」で、《そこには愛しかない》ということをいつも感じて、胸が熱くなります。だから誤解しているし、もうその方法をやめたいと思っても、その在り方から変容する時には痛みも伴います。 ただし、変容したからといって家系のつながりが途切れることはありません。「エナジェティック・リレイションシップ」を体験されたことがある方なら分かると思いますが、愛の誤解に気づいて、誤解を認めることができたその瞬間、自分だけでなく、家系すべてが癒されていくのを感じるはずです。正しい座標に位置が整っていく感覚というか…。   事務局A=そうですね。脈々と引き継がれてきたものが、あたたかな愛に変わり、広がっていく感覚があります。 ほかにも、代理人をしているだけなのに涙が出たり震えたり、すごく身体感覚を伴うことも不思議だなぁと感じます。   けい=本当にさまざまな感情や身体感覚を感じますよね。「わたしにはこんな感情があったんだ…」と深い部分で気づかされます。素直な感情、感覚にどれだけ蓋をしてきたんだろうって。   川村=「エナジェティック・リレイションシップ」で感じる愛の感覚は、“原初の愛”なんだと思います。わたしもたくさんの愛の誤解を整え、“愛は上の代から引き継がれる”ことを経験してきました。今、自分が存在している尊さも実感できるワークだと思います。   事務局A=けいさんは、これからどのような活動をされていく予定ですか?   けい=学んだことを、どう表現していこうかなと思案しているところです。どんなことが起きるか楽しみです。   川村=わたしも楽しみにしています。今日はありがとうございました。   事務局A=けいさん、本当にありがとうございました。 次回は《ミッションを生きる》をテーマにした対談を予定しています。お楽しみに!   エナジェティック・リレイションシップの講座詳細はコチラから。 2020.11.9
    • Interview〈インナーチャイルドの視点から“美しさ”を語ろう!〉 2020年9月24日Interview〈インナーチャイルドの視点から“美しさ”を語ろう!〉
      HEセンタープレゼンツ 〈インナーチャイルドの視点から“美しさ”を語ろう!〉 “ハートの教育”を目指し提供する、「ハートエデュケーションセンター」のセラピストが、ひとつのテーマをもとに語り合います。 今回は〈美しさ〉についてお届けします。   川村=川村法子(HEセンター代表) 愛子=山本愛子(サロン「エクストリームユー」代表 アロマセラピスト、エンパシーアロマ講師、レイキティーチャー) サロン「エクストリームユー」(https://extremeyou6.wixsite.com/website) 事務局A=オンラインハートカレッジ事務局Asami (インタビュー&文)   事務局A=インタビューシリーズの3回目は、自身もインナーチャイルドを学び、アロマセラピーとボディケアを神奈川県で提供しているセラピスト歴15年以上のベテラン、サロン「エクストリームユー」代表の山本愛子さんにゲストとしてお越しいただきました! 愛子さんは独自のメソッド「エンパシーアロママッサージ」を開発され、無意識領域や過去生などにアクセスしながら、身体•思考•魂を同時に癒すセラピストとして、日本だけでなくシンガポールでも活躍されています。長年、ボディケアをされてきた愛子さんが感じる〈インナーチャイルドと美しさの関係〉について伺っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。   愛子=よろしくお願いします。   川村=愛子さん、お越しいただきありがとうございます。   事務局A=二人は以前からの知り合いなのですよね? どういった経緯で知り合ったのでしょうか。   愛子=今から10年くらい前になりますが、何かのワークショップで一緒になって、すっかり意気投合してしまったんです。そこからしばらくして「レインボーソウル塾」という講座を共に提供していた時期があります。つい先日、日本に本帰国したばかりですが、私はここ数年シンガポールでサロンを開業していたんです。その間も連絡は取り合い、付き合いは続いていました。   川村=もうそんなに月日が経っているなんて驚きです! 「レインボーソウル塾」、とても良い経験になりました。 確か最初に出会ったワークショップで、スピリチュアルを逃避に使っていたり、現実から目をそらして素晴らしい何かになろうとするのは違和感を感じる、というような話で盛り上がって仲良くなっていった思い出があります。私は今も変わらずそこを大切にしていますが、愛子さんはどうですか?   愛子=私もそこはずっと同じで、ブレないですね。スピリチュアルをいかに現実に活かせるか。現実が幸せでなければ、スピリチュアルを生きれていないのではないか、とも思っています。   事務局A=ちなみに愛子さんは、どのようなきっかけでインナーチャイルドワークを学ばれたのでしょう? そして、どんな変化がありましたか?   愛子=私は法子ちゃん(川村法子)のインナーチャイルドワークのセラピストから個人セッションを受けていました。それも10年以上前の話になりますが、インナーチャイルドワークを知って、「これだ!」と直感して、2年学び続けました。今でもインナーチャイルドの考え方はベースになっているし、サロンワークにも活かしています。 私はシングルマザーとして、二人の娘を育てているのですが、子どもとの向き合い方にはとても変化がありましたね。私の中のチャイルドを癒していったら、子育てをしているというよりかは、同士という感じになっていきました。もちろん親としての責任は取りながらですが、張りつめた感じの子育てから、くつろぎながら安心して子どもと向き合えるようになっていった感覚です。私が子どもの頃は、親に意見するなんてことは恐怖を伴うものでしたから、自然体で言いたいことをいえる関係性になっていることにびっくりします。色々な出来事は起きますが、心の底から子どもたちを愛していると感じながら、日々を過ごしています。   事務局A=私も、親に何かを言うことは緊張を伴うものでした。〈存在を否定されない〉ケンカができるのは、とても良いことですね。私にはつい先日、6歳になった娘がいますが、叱る時も「doingに対してママは怒っているけど、あなたの存在beingは何があっても揺るがず輝いているよ」という気持ちで接しています。 それでは、ここからは本題の〈美しさとインナーチャイルド〉について伺っていきたいと思います。川村さんは、何かこのテーマについて感じることはありますか?   川村=とてもあります! 私は、大学に入ると同時に九州から東京に上京してきました。当時、通っていた大学のクラスメイトの中に、全身“昭和のアイドル”のような格好をする女の子がいたんです。自分が好きでその格好をしていて、揺るがない感じでした。私もファッションを楽しむことは好きでしたから、毎日オシャレを楽しんでいました。ですが、その子を見ていたら、いわゆるオシャレと言われているファッションよりも、本当に自分が「素敵」と思っている服を着て人前に立っているほうが、よっぽどオシャレなんじゃないか?と思えてきたんです。ですが、そんな彼女を「ダッセー」と笑う男子学生もいたりして、そこから、〈美しさって何だろう?〉という問いを持つようになりました。 その後、結婚して子どもを生み、インナーチャイルドのセッションを受けていく中で、当時お世話になっていたセラピストから「法子ちゃん、美しさは闇をも包括するものなんだよ」という言葉をいただきました。私自身も、自分の悲しみに触れ、受けいれることができるようになってきていた時期だったので、深く納得したんです。良い悪い、悲しみ、怒り、恐怖、生きてきて苦しかったこと。私自身が抑圧してきた、私のすべて。そこに触れて「今まで見ないようにしてきてごめんね」と向き合えるようになったら、悲しみを感じながら、こんなにも悲しかったんだと感情が愛しくなって、喜びが溢れ出してきたんです。〈美しさとはジャッジのないアート〉なんだな、と感じました。   事務局A=表面的な美しさではなく、その人から溢れ出てくる生命の美しさ、命の輝きという感覚でしょうか。でも確かに、自分で言うのもなんですが、以前の私よりも、今のほうが活気に満ちてイキイキしていると感じます。   川村=Aちゃんは、毎月講座で会うたびに輝きを増していましたよね!私も、昔の自分の写真を見ると、瞳に生気がなく感じます。個人的な感覚ですが、瞳にはそういう何かが現れると思っています。 あとは、便秘も改善したし、血流も良くなって、いろんな不調が改善しました。感情の滞りが減ったので肌の疲労感もなくなったような気がしています。もちろん年齢相応の衰えはありますが、貧しい年の重ね方はしなくなったと感じています。   事務局A=実は私はベーシックコースを学ぶ中で、自分がいかに外見に劣等感を持ちながら生きてきたのか、痛感したんです。ここは、すごく見たくない部分でした。 小さな頃、弟や親戚の姉妹がパッチリ二重で可愛い顔をしていましたから、近所のおばちゃん、親戚から「弟と顔を交換できたらいいのにねぇ」と言われたり、母親からは「二重に生んであげられなくてごめんね」と言われ、父親からも可愛い友人と比較され、「同じ人間か!?(笑)」とからかわれたりしていました。大人は〈子どもはそこまで深く傷つかない〉〈分からないだろう〉と思って発言していたのかもしれませんが、言葉にできないほどの衝撃を受けていたと思います。小さい頃ですから、その感覚が“劣等感”だとは分からず、「私は何かが間違っているんだ」とだけ感じ続けていたと思います。 ブスとか、不細工とか、そういう言葉には過剰に反応していましたし、自分で自分を「醜い存在」と決めつけていたと思います。だからその分、勉強を頑張ったり、親の役に立とうとしたり、我慢強い子、自己実現する子、諦めない子etc…と、常に何かを頑張り続けるしかないと強烈に感じていたのだと思います。 学生時代も、好きな人に告白するなんて相手に申し訳ないとか、付き合っても罪悪感でいっぱいになって会えなくなったり、相手に尽くさないと捨てられると焦ったり、恋愛を楽しむことは難しかったです。今思うと、なんてもったいないことを!と思いますが(笑)。当時は、「私なんて…」から抜け出せるなんて思いもしていませんでした。 そのうち、自分で烙印を押した「醜い存在」だと思っていることも、抑圧してなかったことにしていきました。抱えきれなくなったのでしょうね。痛みに触れたくなくて、全力でポジティブシンキングして逃避していました…。 ベーシックコースを受ける中で、自分が自分をそんな風に感じていたことを思い出していきました。   川村=ベーシックコースでは、「〜〜でないと愛されない」と信じ込んでいるチャイルドや、“愛されるための条件付け”も見ていきます。表面的にはそんなふうに思っていないと感じていても、たくさん条件付けをしていたことに気づいていき、誤解をしていたチャイルドに寄り添っていきます。   事務局A=自己卑下を繰り返してしまう、何をしても自分にオッケーが出せない、そこの根本部分にタッチできた感覚でした。 ですが、最初のうちは〈私は醜い〉と信じ込んでいるチャイルドに出会っても、どう寄り添ってあげればいいか分からなかったです。それでも意識の中で出会うことを続けていたら次第に、「なんで、お母さんとお父さんは私にあんなことを言ったんだ!許せない!!」という怒りが湧いてきました。「怒っていいんだよ」と言ってあげたら、すごく怒った後に、「悲しい。つらい。親に存在を否定されて、生きていたくない」と悲しみのどん底、絶望の感情が出してくれるように…。「悲しかったよね。悲しんでいいし、泣いてもいいんだよ」と後ろからハグをしてあげました。この状態がしばらく続いたら、恐怖の感情も出てきました。「みんなも私のことを醜いと思っているんでしょう?他の人と関わることがこわいよ」と…。 身体は大人なのに、その内側にこんなに傷ついている私の子どもの意識があって、それをなかったことにしていたんだなぁと思ったら涙が出てきました。そこから、毎朝鏡を見るたびに、「おはよう!今日も可愛いね!」と自分に語りかけています。最初のうちは受け入れがたい感じがありましたが、今では喜びで満たされる感覚があります。 誰かが誰かの存在をジャッジすることは、恐ろしいことですね。親は何気なく子どもの容姿のことを言っているかもしれませんが、言葉の暴力として身体に深く刻み込まれることがあります。私も色んな人に対してジャッジしてきたと思いますが、その行為の重みを実感できるようにもなりました。   川村=「ちゃかすひやかすコミュニケーション」というものがあって、両親もその親たちから容姿や言動を否定されたりからかわれてきていたとすると、「それは関わり方で、愛なんだ」と誤解が世代間の中で引き継がれている可能性があります。嫌なのに、愛だと勘違いしてしまっている状態です。 そこを、自分の代で終わらせることは、次の世代へのかけがえのない贈り物になりますね。   愛子=多くのクライアントさんのボディケアを行う中で、「内側の輝きが外側の輝き」であることは間違いないととても深く実感しています。 例えば、「外側に認められるために自分磨きを行う」ことを続けている場合は、疲労感や犠牲感を伴いますし、どんなに磨き続けても、終わりがない感覚を感じるかもしれません。ダイエットもそうですよね。継続できる時は、“誰か”のためではなくて“自分”の健康、美しさのために行えているのだと思います。 内側が変わってくると、自分が「好き!楽しい!」と思えるメイクやファッションに変化していきますし、自分自身の身体に対しても興味が湧き、愛おしさ、慈しみの感覚が生まれてきます。   川村=私は以前、オーガニックじゃなきゃだめ、素材はコットンじゃなきゃとか、食べ物にも着るものにも制限をかけていた時期がありますが、すごく窮屈でした。今は髪の毛にブリーチもかけてるし、着たいと思う洋服を着ています。オーガニックでもいいし、そうじゃなくてもOKというスペースを保てる位置に立ててから、すご〜くラクで楽しくなりました。   愛子=分かる!私も以前、かなり厳格にマクロビオティックを行っていた時期がありました。それ自体はとても素晴らしいものですが、私は思想にとらわれ過ぎてしまって、健康美を目指していたのに眉間にシワを寄せながら行っていました(笑)。 ファッションも、私は自分に馴染むようなシンプルなものが好きです。ナチュラルで、着ていて気持ちがよくなるような、ありのままでいられるもの。だけど、気分を上げたい時はカラーのあるものを着たり、小物にこだわったりして楽しんでいます。好きなものを身につけると安心しますよね。   事務局A=私は海の生き物や動物が好きなので、動物がプリントされている服や小物を見るとテンションが上がって楽しくなります。ですが、「もっとフェミニンで女性らしい服を着なさい」「女性なのに、ファッションを楽しんでいないなんて…」と余計なアドバイスをいただくことが多くあり、一時期はまったく好きではない服を着ていた時期がありました。その時はなんだかアンバランスな感覚を持ちましたし、私は「空っぽだ」とも感じました。自分の人生を自分で生きる感覚が徐々に分かってきてからは、自信を持って、“わたし”のファッションを楽しんでいます。そうしたら、そのようなことを敢えて言われることもなくなりました。   川村=自分なりのオシャレを楽しめることは、心のゆとりですよね。いっぱいいっぱいになっていると、大切にしたい美しさが分からなくなります。自分にフィットしたものを身につけることは、インナーチャイルドにとっても喜びになります。   愛子=「可愛くなったら」「痩せたら」「今よりもっとキレイになったら…」「豪華なものを身につけたら」というのは、主に、外側にエネルギーが向っている場合が多いです。向けるべき方向は、自分自身。演じる美しさではなく、自発的な「美」を楽しむことは、人生を楽しむことにもつながっていくと思います。最終的には、楽しむゆとりと共に、内側と外側のバランスだと思っています。   事務局A=私はずっと、容姿に対する“恥”を抱えたチャイルドを見て見ぬふりをしてきましたが、保護してニーズを満たしてあげれるようになってから、猫背もなおってきたし、うつむきがちな目線もなくなり、おおげさかもしれませんが、太陽の光を身体に取り込めるようになった感覚があるんです。だから、これから自分に対する「美」や「オシャレ」を目一杯楽しんでいこうと思います! 最後に、愛子さんは今後日本でどのような活動をされていく予定ですか?   愛子=今後は“教えること”に力を注いでいきたいと思っています。“エンパス”というのは、依存ではなく、“共感”です。相手に共感しながら癒していくことができる、エンパシーアロママッサージやエンパシーカウセリングの養成コースを通して、エンパシーアロマセラピストやヒーラーをもっともっと増やしていきたいと思っています。   川村=愛子さん、今日はありがとうございました。ぜひまた、お越しください。   事務局A=お二人とも、ありがとうございました!愛子さんのトリートメントは、最高に気持ちが良いので、本当におすすめです!次回のインタビューは“家系から引き継ぐもの”や“ミッションを生きることとは?”を予定しています。お楽しみに〜   2020.09.24  
    • Interview〈インナーチャイルドの視点から“子育て”を語ろう!〉 2020年8月11日Interview〈インナーチャイルドの視点から“子育て”を語ろう!〉
        HEセンタープレゼンツ 〈インナーチャイルドの視点から“子育て”を語ろう!〉   “ハートの教育”を目指し提供する、「ハートエデュケーションセンター」のセラピストが、ひとつのテーマをもとに語り合います。 今回は〈子育て〉についてお届けします。   川村=川村法子 Hちゃん=セラピスト養成コース卒業生、保育士 事務局A=オンラインハートカレッジ事務局Asami(インタビュー&文)   事務局A=HEセンター オンラインハートカレッジ事務局です。 2020年7月より「チャイルド•ケア•セラピー」講座が始まりました。インナーチャイルドワークの基礎「HEベーシックコース」の中でも、「リアルチャイルドは自身のインナーチャイルド」という言葉が川村さんの口からでてきますが、実際にはどのような関わりがあるのでしょうか? 今回は養成コースを卒業したセラピストでもあり、保育士としても活躍中のHちゃんを交えて話をしていきます。まずは、インナーチャイルドワークに出会い、自身の子育てがどのように変化したのかをそれぞれ教えてください。   Hちゃん=2年前にセラピスト養成コースを卒業した保育士のHです。よろしくお願いします。 今から4年前、長男が4歳の頃、彼はいわゆるトラブルメーカーでした。お友達と遊べばケンカをするし、暴れるし、私は手に負えなくてよく怒鳴っていました。そんな時ふと、「保育士になったら良い子育てのヒントがあるかも?」と思い立ち、必死で学んで1年後には保育士として働くようになりました。だけど現実は何にも変わらなくて…。 その頃、友人を通じてインナーチャイルドワークに出会ったんです。驚きましたよ! だって今まで出会った友人の誰もが旦那や子育ての話をすると、「だよね!」「それむかつくよね!」と同調してくれたのに、その友人だけは「へー。Hちゃんはそう思うんだね〜」という感じで(笑)。「え?なぜその反応? 一緒にむかついてよ!」とやや不信感を感じるものの、妙にその距離感や言動が気になり、私も学ぶことにしたんです。 その後、自分の内側と外側のリンクを体感させられているかのように、学びが進む一方で旦那やご近所とのトラブル、子育ての問題が起きました。さまざまな課題と向き合う中で、結果、離婚をして実家がある関西方面に戻り、シングルマザーに。今度はオンラインでHEセンターのインナーチャイルドワークを学ぶことにしたんです。 インナーチャイルドワークを学び始めた頃は「感情の責任は自分にある」ということが理解できずに、それに対しても怒りを抱いていました(笑)。だって、私がこんな感情になるのは、「旦那や子どもが悪いのに!」って。今では、完璧にできているわけではもちろんないですが、感情の波が押し寄せてきてもそれに飲み込まれてしまうのではなく、だけど感じることも大切にできているように思います。長男とは色々あるものの、以前とは比べ物にならないくらい、穏やかでいられていると思います。保育士の仕事も楽しく、子どもたちにいろんな世界を見せてもらっています。   川村=私はインナーチャイルドワークを続けて13年目になります。 生まれてからずっと長女の育児が大変で悩んできて、長女が2歳の頃、インナーチャイルドワークに出会いました。やっぱり私もとても驚いた記憶があって、私の場合はどちらかというと“衝撃”でしたね。「こんな良いものがあったんだ!これしかない!」って感じで、とにかくはまりました。ちょっと中毒状態だったかもしれません(笑)。5年間同じセラピストの元に通い、チャイルドに出会うことを行い続けました。その間に長男、次男を出産しています。 実はインナーチャイルドワークに出会う前は、超スピリチュアル系のワークに夢中になっていたこともありました。その時の学びももちろん私の大切なベースになっていますが、スピリチュアル一色のワークはその時は気持ちがよくなるのだけれど、どうにもこうにも現実は良くならなくって…。むしろ、現実はどんどん困難になっていきました。それまで押さえつけていたものが無意識から溢れ出てきていたのでしょうね。 私の場合はですが、徹底的に自分と向き合い、現実を見て自分自身の器を広げた後に、スピリチュアル系のワークは意味を成してくるのではないか、とも感じています。インナーチャイルドワークは徹底的に内面をみていきますし、自我ワークでもあります。現実を見れるようになってからは、ガラリと私の世界が変わりました。“スピリチュアル”というものの捉え方もです。もちろん子育ても。 今でも子育ては完璧になんてできていないし、「あの時こうしておけばよかった」という後悔だっていっぱいあります。けれど、完璧でない自分を認め、許しながらも、だけど“関わること”を諦めない私になれたと思っています。こんなふうになるとは、13年前は想像できななかったですね。   事務局A=私も同じくです。 私は2017年からインナーチャイルドワークを始めましたが、以前と今では、子どもへの向き合い方が全然違います。以前は、自由にみせかけた“放置”という子育ての傾向がありましたが、今ではやる時はやる、だけど楽しむことも大切にできています。 発達にかなり凸凹がある娘ですが、そのことに対しても夫婦で向き合い、周りにも助けてもらいながら、だけど娘から教えてもらうこともたくさんあり、相互に成長している感じです。   川村=「リアルチャイルドは自身のインナーチャイルド」というのは、インナーチャイルドワークをやればやるほど明らかに見えてくることです。 セラピーでは、「自分の内側の世界を外側に見る」といわれます。つまりこれは、私たちが現実の子どもたちをどう感じているのか? どう接しているのか? が、私たちのインナーチャイルドへの態度そのものであるということです。これは、実際に子育てをしている人だけに関わることではなくて、子どもを育ててない場合でも同じです。 例えば「子どもは好きですか?」と聞かれた時、どう答えますか? イエスかノーか。もしくは、特定の年齢の子には「イエス」だけど、それ以外の年齢の子は「ノー」という感覚がありますか? 私は自分が子どもを産むまで、全般的に子どもは苦手でした。可愛いとは思えるのですが、どう接していいか分からなかったんです。つまりそれが、私のインナーチャイルドへの態度だったということです。 私は子どもの頃、精神的に子どもでいる時間が短くて、親を助けるために早く大人になろうとしてきました。だから、子どもでいることがどういうことか分からなかったし、「子どもでいてはいけない」と思ってきたんです。ですから、リアルチャイルドにも、どう接していいか分からなかったんです…。インナーチャイルドワークに出会って、自分の内側の子どもたちに丁寧に向かい合っていく中で、最初に感じたのはリアルチャイルドの変化でした。もちろん私が先に変化したのでしょうが、私自身が自分のインナーチャイルドに優しくあればあるほど、子どもたちが心身ともに健康になっていきました。 私には3人の子がいますが、私自身も、出産するたびに健康になっていきましたし、子どもたちも末っ子の方が健康度が高いです。これを知っていたら、産む前にもっと自分を癒していたのに…と思いたくもなりますが、実際には第一子が、私のインナーチャイルドの痛みを教えてくれたからこそ、自分のインナーチャイルドに向かい合うことができたんですよね。 だからもし、これを読んでいる方が、お子さんに問題を感じていたり、お子さんとの向かい合い方が分からないと思っているなら、「それはあなた自身のこととしてまず捉えてみてください」というところからセラピーはスタートします。お子さんの年齢が低ければ低いほど、親のセラピーだけで十分と言えるくらいです。つまり、子どもに問題があるのではなくて、親自身の未解決の傷とそれによる不自然な在り方が、家族関係に影響を及ぼしているということ。これは、機能不全家族とも言います。 実際には我が子の子育てをしていない人や、もう育児を終了した人も、インナーチャイルドの育児はしています。我が子を持たない人や育児を終了した人が、自分のインナーチャイルドを育てることで、育児に悩んでいる人のことをより近くに感じ、サポーすることもできます。社会全体で子どもを育てるという意識が高まっていくと思います。   事務局A=なるほど。これまでたくさんのチャイルドに出会ってきたから、これがこう影響しているということは断言できませんが、私も実際の子どもの変化はたくさんあります。 印象的なものだと、視線が合いずらかった娘ですが、今ではそういったことをほとんど感じません。私が他者との境界線の感覚を取り戻したからかな~?ということも感じています。   川村=もちろん親と子は違う人間です。けれど、何か見えないものでつながっているんですよね。心の世界では昔から言われていますが、最近では、これは脳科学でも明らかになってきていることです。 そうそう、子育てに関して悩む方の中には、子どもを怒鳴りつけてしまうとか、暴言をなぜか吐いてしまうなどの悩みを抱えている方も多いかと思います。今から4年前の出来事なのですが、家に大きな蜘蛛が出たんです。私は虫が苦手で…。その時、それまでおだやかな時間を過ごしていたのに、急に子どもたちに「早く掃除しなさい!!!!!!」と怒鳴っていました。凪の状態がいきなり嵐に変わったような勢いでしたね。その時、ハッとしたんです。蜘蛛をみた時に感じきれなかった恐怖が、行き場を失って“怒り”としてあらわされたんだな、と。 動物は恐怖を感じた後、本能的にブルブルっと身体を震わせて、恐怖を身体から解放すると言われます。ですが動物的本能を失い、せわしなく生活する現代人は、私もそうですがそうすることができません。すると身体に残った、こういう小さな恐怖は別の吐口を見つける必要があり、イライラやガミガミで表現されてしまうんです。もしトラウマと言われるような大きな恐怖があるとしたら、より深刻なことが起こり得ます。 こんな感じで、子育てとは全然関係のない恐怖や不安、孤独が子どもたちに向けられてしまうことは起きがちだと思います。そういうエネルギーは、弱いものに向けられやすいですから。 あと、インナーチャイルドワークでいう<愛の勘違い•愛の誤解>も大いに関係していて、例えば幼少期にいつも怒られていたとか、からかわれることがコミュニケーションの一部だったり、放任されて育った場合、それそのものを<親の愛>だと信じ込んでいるチャイルドがいる可能性もあります。このような場合、想像できるかと思いますが、やはり無意識で我が子にもそのような関わり方をしてしまうわけです。   事務局A=なるほど…。思い返すと私も、罪悪感や不安が子どもへの怒りとしていきなり表されていたことがあります。やはり、その時の自分に本当の感情に気づくことはとても大切ですね。 <愛の勘違い•愛の誤解>では、実家は誰かと我が子を比べて落として、笑いをとってコミュニケーションする自己卑下が日常茶飯事で行われていました。無意識で娘にも旦那にもやってしまうことがあります。当時の小さな私は、本当は悲しくて悲しくて仕方なかったはずなのに…。   川村=子どもは自分の感情を言語で理解できません。「本当は悲しかった」という気持ちが、当時明確に分からなかったのも当然のことだと思います。 本来は、親が子どもの《健全な感情のモデル》として存在する必要があります。「それは悲しいってことだね」、「それは怖いってことだね」と、子どもの感情を受け止めて、「それでいいんだよ」と教えてあげる必要があります。これが〈子どものありのままを受け入れる〉ということです。ですがそれができない場合、子どもは自分の感情を理解できず、扱い方が分からないまま大人になってしまいます。つまり自分のありのままを知らず、社会に出ていくことになるんです。 そういえば、子育てに関して、思い出深いエピソードがあります。私は以前、長男に対して「ママのこと好き?」と繰り返し聞いていた時期がありました。長女のことでセラピーを始めましたが、次に生まれた長男のことでも十分育児に迷いました。私は一人っ子なので、男の子の育て方は無意識に父方の祖母や叔母の真似していたように思います。それは男の子を、〈悪い子〉扱いするやり方で、愛情と罪悪感の入り混じった関わりでした。 長男は混乱したと思います。長男が保育園くらいの時に「私、何かおかしなことをしているのかも?」と気がつき、セラピーを重ねました。長男との関わりが癒される中である時、息子に「ママはあなたのこと好きだよ。それは伝わってる?」と聞いていたんです。息子は「うん」と答えていました。 相手に対して「私のこと好き?」と揺さぶりをかけるような愛から、「私はあなたが好きだよ」と、“愛”を自分へ取り戻した瞬間でした。   Hちゃん=うちは男の子が2人いるのですが、男の子は自分と性別が違うからか、感覚が分からないな~と感じることは私もありました。まさに<悪い子>として扱い、実の息子に対して「あなたが関わるところでは必ずトラブルが起きる!」と刷り込んで、刷り込んで、刷り込みまくっていました。今思えば申し訳ない気持ちでいっぱいですが、そんなことを経て、インナーチャイルドワークの中でその真実が明らかになっていきました。 「男の子だから」「B型だから」「あいつ(元旦那)の遺伝子があるから」と頭でなんとか納得させていないととても見ていられなかった息子たちは、実は、私が子どものころ、そうしていたいのに我慢していたことを見事に表現していただけだったのです。そしてそれをしてきていない私はその関りが分からずに困っていたというわけです。嬉しい時に飛び跳ね、悲しい時に大泣きする。親の機嫌を伺いながらでなく、自分本位に感情表現することを、ずいぶん早くに諦めていた小さな私に出会うことができて、育児は大きく変わったように思います。 そうそう、保育士をしていると「子ども好きなんだね」と言われることが多くありますが、<子どもが好き>だけでできる仕事ではないとも思っています。教科書にも「保育を通して自己を高めていく職業」と書いてあるし、本当、子どもに色々と教えてもらいながら、自分を成長させていくことが大切なんだなと。私は「◎◎ちゃんはこういう子なんだね」という決めつけをしないように心がけています。家だけでなく、保育士など周りの大人が与える影響もとても大きいと思うので。   川村=そんなふうに意識的でいてくれる先生がいたら、とても嬉しいですね。   事務局A=安心します! ところで最近の風潮として「笑ってるママでいよう」というものがあるような気がしているのですが、私はこれに囚われてしまい、すごくキツイ時期がありました。言っていることはすごく良く分かるのですが、私が楽しくないと家族が楽しくないんだとプレッシャーを感じたり、罪悪感や怒りを感じるような感覚もあって……。   川村=もちろん「笑っているママ」「楽しそうなママ」で居て欲しいですよね。それが自然にできていたらいいですが、どこの立ち位置からそれを行っているかに意識を向けることも大切だと思います。 楽しくないのにそう思い込もうとしたり、自分が楽しければいいからと子育てを放棄したりは、本来の意味とはズレているような気もします。この部分も、すごく個々人が育ってきた家庭の何かが関係していると思うので、チャイルドに出会っていくといいと思いますよ。   Hちゃん=私は<防衛>で笑顔になってしまうことがありました。育ってきた環境の中で「私は笑顔でいなきゃ」という強い思いがあったので…。けど、顔は笑顔なのに内面は怒っているという違和感は、子どもにしっかり伝わっているとも感じます。   川村=うちは母が怒らないで我慢するタイプでした。「本当は怒っているよね」っていうのは、子どもの頃感じていましたね。だから、寂しくなったり、言葉にできない不満が出てくると、母を怒らせるようなわがままをしました。子どもが親の感情を代弁していたのかもしれません。 完璧な母親はどこにもいないし、年齢によって出てくる問題や悩みもさまざまです。セラピーを学んで陥りがちなことは、子どもに「問題」が起こらないようにしようとすることだとも思います。型にはめようとすることも、普通という何かに沿わせようとする必要はなくて、だけど違和感を無視し続けて「個性だ!」ということも違うかもしれない。子育てに答えはありませんね。 子どもの人生に覆いかぶさる<肥大化した母性>に自分がなっていないか、なっていたとしたらそこにいるチャイルドに会いに行くこと。自分との対話が子育てに大切なことだけは確かだと思います。   事務局A=子育ては本当にたくさんのことを感じさせ、気づかせ、教えてくれますね。 Hちゃん、川村さん、ありがとうございました。今後も「家系から受け継ぐもの」や「美しさとインナーチャイルド」などのインタビューを予定しております。 どうぞよろしくお願いします。
    • Interview〈インナーチャイルドの視点から“不登校”を語ろう!〉 2020年6月27日Interview〈インナーチャイルドの視点から“不登校”を語ろう!〉
        HEセンタープレゼンツ 〈インナーチャイルドの視点から“不登校”を語ろう!〉 “ハートの教育”を目指し提供する、「ハートエデュケーションセンター」のセラピストが、ひとつのテーマをもとに語り合います。 今回は〈不登校〉についてお届けします。   川村=川村法子(Isha) Yさん=養成講座受講中のセラピスト 事務局A=オンラインハートカレッジ事務局Asami(インタビュー&文)   事務局A=HEセンター オンラインハートカレッジ事務局です。 最近よく耳にする〈不登校〉という言葉。私が子どもの頃に比べても、すごく増えているように感じます。実際に講座を受講されるママの中にも「子どもが不登校で…」と悩んで通われる方も多いです。インナーチャイルドと〈不登校〉、何か関連していることはあるでしょうか?   川村=あると思います。 私の子どもも、今年学校に行けなくなってしまった期間があるので、実体験としても感じています。 私は「学校に行くことがすべて」とはもちろん思っていないですし、今はさまざまな学びの方法が増えていますよね。「学校は行かなきゃいけないところ。だから行きなさい!」ということも違うと思うし、でもだからって「学校が悪い!学校はダメなところ!だから行かなくていい」という親の態度には疑問を感じます。だって、子どもは悩みやつらさを実際に抱えているわけだから。 「学校はダメなところ」としても、子どもにとっては何の解決にもなっていないわけで……。やっぱりそこは子どもに何が起きているのか、親自身がそのことをどのように感じるのか、丁寧に見ていく必要があるんじゃないかと思うんです。 もしかしたら親が抱えてきた〈学校にまつわるトラウマ〉から学校を否定しているのだとしたら、何か違う方向に向かってしまう可能性だってありますよね。   Yさん=それはすごくよく分かります。 うちの息子は小学校2年生の頃から、徐々に不登校になっていきました。学校や友達とトラブルがあったというわけでもなく……。つられるように娘も1年生の時に不登校になりました。 私自身が学校に対してあまり良い印象や記憶がないし、不登校になって「行かせなきゃ」と焦るよりも、安心した気持ちもありました。 今思うと不登校になったのは、<私が学校と関わりたくなかった>ことも大きかったんじゃないかな…と思うんです。自分の中の傷ついた子どもの部分を、実際の子どもたちに重ねてしまっていたような気もします。   事務局A=川村さんの子どもは今は学校に通い、Yさんの子どもたちは昨年の4月から急に学校に行き始めるようになったそうですね。   Yさん=行ったり行かなかったりという感じだけど、私の学校に対する感じ方が随分変わりました。 「学校に通っているのは私ではなくて、子どもたちなんだ」と、自分と子どもの間にきちんと境界線を引けた感覚があります。また、子どもたちに対しても、すべての出来事から守ってあげるだけではなくて、良いことも悪いと感じることでも〈体験する〉機会を奪ってはいけないなと、しっかりと地に足をつけて現実と向き合えるようになってきました。   川村=その感覚はとても大切! うちの子どもの場合は今思うと何年も前から、学校の先生やクラスメートとの間に「違和感を感じるようなことがある」と、私にちょこちょこ訴えていたんですよ。だけど、私自身が“先生”や“学校”としっかり向き合えるというような感覚がまだ育っていなかったんです。だからきちんと対処してあげることができなかった。だけど、いよいよ子どもが学校に通えなくなって、覚悟を決めて夫と共に学校に何度も出向きしっかりと対話したんです。 「モンスターペアレンツだと思われたらどうしよう」という恐れもありました。だけど、疑問や不信に思ったことは見て見ぬふりをするのではなくて、子どもと同一化した感覚からでもなく、子どもを保護する成熟した親、自分の中のインナーチャイルドも保護してあげるような感覚で、相手を責めるのではなく自分の意見を学校に伝えることができたと思います。そうしたら、子どもはケロッと学校に通い始めました。   事務局A=親自身が子どもに憑依してしまうような愛ではなく、学校と自分を比べて「意見は言ってはいけない。波風を立ててはいけない。そんなことをしたら大変なことになってしまう」という恐れから見て見ぬふり(感じないふり)するやり方でもなく、やっぱり自分の子どもと自分に今何が起きているのかをしっかりと感じることが大切なんですね。   川村=ですね。また、不登校は<肥大化した母性>もすごく関わっていると思います。 自分自身が育った環境の中で、父親が忙しくて家にいなかったとか、居ても家庭と関わろうとしなかったり、今で言うとワンオぺ育児とか、<不在の父性>を体験して育った場合、出産した後に<肥大化した母性=グレートマザー>を抱える女性は多いかと。 〈肥大化した母性〉は家庭の中から父性を排除しようとします。もしも「男なんて!」という口癖があったとしたら、そもそも父性を認めていないという問題が隠れているかもしれません。女性性の傷の中には「男は必要な時にいない」というものがあり、男性性の傷の中には「僕は役に立ちたいけど、期待されているようにはできない」というものがあります。この傷があると、互いにフックがかかってしまう状態になります。 <肥大化した母性>を抱えると、子どもの物理的なお世話だけでなく、子どもの感情のコントロールまで無意識にすることがあります。浸食するような形の愛になってしまい、子どもと自分の境界線が曖昧になってしまうんですね。 すると、子どもは親の期待に応えようとします。だって、子どもはそうしないと生きていくことができないから。「母親の感情の責任は自分自身の言動にある」と思い込み、「自分がどう感じるか」ということよりも「お母さんはどう感じるか?」「どうしたら満足して喜んでもらえるか?」ということが生きる核になっていくんです。 もしかしたら男の子に不登校が多いのも、家庭の中で<不在の父性>の身代わりを演じようとしている、なんてことも考えられると思います。   Yさん=私も<肥大化した母性>を抱えながら、子どもにも夫にも接していたと思います。でも、そのような家族の関わり方しか知らなかったんですよね…。 インナーチャイルドワークを学び始めて、「あれ?私、愛の勘違いをしていたのかな?」って気がついて、まずは自分の中のインナーチャイルドを保護し続けました。 家族を飲み込むような愛ではなくて、本来あるべき「母」の立ち位置に自分が立てるようになったら、実際の家族の関係がガラリと変わって風通しが良いものになりました。   事務局A=実際に、川村さんとYさんの学校に関するインナーチャイルドとの出会いの体験も教えてもらってもいいですか?   川村=思い出すことは、私も自分の子ども同様、先生やクラスメートとトラブルというか、コミュニケーションがうまくいかないことが小学生の頃に起きていたということです。 当時、母親に「学校に言って」とお願いしたんです。母は「分かった、学校に言うね」と言ってはくれたのですが、結局、実際に言ってくれたことはなかった。子どもはこのような出来事に対してとても落胆しますよね。 「学校が嫌い」なのではなくて、関わってくれない親の態度に落ち込み、「言う」と言ったのに嘘をついたことに対して悲しみや怒りを抱えていたのだと思います。ですから先日、子どものことに関して私が学校に意見を言えたことは、私が私自身の傷ついた子どもを保護したことにつながっていると思います。 ちなみに、母に頼ることができないという幼少期の経験から、私は「自分ひとりで頑張る!」というアダルトチャイルドが多分に育ちました。インナーチャイルドワークを学び始めた頃は、「頑張り過ぎる自分との和解」をよく行っていましたよ。 そもそも<肥大化した母性>を抱えている女性は、本当の母性を知らないのだと思うんです。今では随分意識的になりましたが、私ももちろん<肥大化した母性>を抱えています。 母性と父性については結構複雑で深い話になります。また、インタビューシリーズのなかで少しずつ話していけたらいいですね。   Yさん=私自身も「学校」そのものというより、学校の友だちとの間でいつも悩みを抱えていました。 小学生時代の私は、友だちにまったく「嫌」と言えませんでした。だからいつも友達の言いなり…。パシリに使われたり、からかわれることもよくあったけど、「やめて」という代わりに愛想笑いでしのぎ、その場をごまかしてきました。だから放課後は友だちと遊ぶのが苦痛でしかありませんでした。 親に「友達と遊びたくない」と訴えても、「友達は大事だから」と話を聞いてもらえなかったので、そのうち友だちに関する悩みは話さなくなりました。遊びに誘われると「早く帰る時間になるように…」と考えながら遊んでいました。 その頃のチャイルドと出会ってみると、その子は自分のためではなく、“親や家を背負って友だちと関わろうとしていた”ことが分かったんです。実家は自営業でしたから、近所付き合い、周りとの関係を重んじてきました。 •親を安心させるために、友だちと仲良しのふりをしてきたんだね。 •いっぱい悩んで一人で我慢して、頑張ってきたんだね。 •あなたが苦しんでるのに気がつかなくてごめんね。 •それから、家のこと、親のこと、あなたに背負わせてごめんなさい。 •友達と関わりたくても、言いなりになる以外、どう関わればいいか当時は分からなかったよね。 •これからは、親のためではなく、あなたの心が喜ぶ関わり方をしていいよ。 •嫌なら「やめて!」と言っても大丈夫だよ。 •友だちと心地良い関係を築いていけるよう、ママも見守っていくよ。 こんな感じでインナーチャイルドに声をかけたら、肩の荷が降りていくのを感じ、安心して友だちの元へと遊びにいくイメージが湧いてきました。 私の中にはずっと<対人恐怖>がありました。 友だちとの関係性に「親に認められたい」「親に愛されたい」という戦略を持ち込んだために、友だちとの関係性をより複雑にしていたのかもしれないと、出てきてくれたインナーチャイルドから教えてもらいました。 小学生の頃から自分を取り繕って生きてきたので、「自分に正直である」「自分に正直でいていい」というのは、これからも私にとっての大きなテーマだなーと感じています。 子どもたちに関しても、不登校状態から学校に戻ったので、友だちとの関係を心配していましたが、それぞれ無理なく心地よい友だち関係を築いているようです。   事務局A=お二人ともありがとうございました!! 話を聞きながら、とてつもなく大きな<肥大化した母性>を私の内側に感じました…。 また、私は「日本の学校教育は間違ってる!」などの怒りがこみ上げることがあり、学校に対しては懐疑的なイメージもありましたが、学校の学び自体は楽しかったことを思い出しました。嫌だったことは、先生が可愛い子や目立つ子ばかりひいきすること、明らかにいじめが起きているのに見てみぬふりをしたり、人によって態度を変えたり、差別を行う大人<教師>の姿だったのだと思います。 きっと、絶望、無力感、怒り、悲しみなどさまざまなことを感じながらも、やっぱり私も両親には相談できなかったなぁと思い出しました。じっくり、このインナーチャイルドに出会っていこうと思います。   みなさんは〈学校〉にまつわる、どんなチャイルドを感じますか?   次回のインタビューは〈美しさとインナーチャイルド〉を予定しています。 お読みいただきありがとうございました。