HEセンタープレゼンツ
〈インナーチャイルドの視点から“子育て”を語ろう!〉

 

“ハートの教育”を目指し提供する、「ハートエデュケーションセンター」のセラピストが、ひとつのテーマをもとに語り合います。

今回は〈子育て〉についてお届けします。

 

川村=川村法子
Hちゃん=セラピスト養成コース卒業生、保育士
事務局A=オンラインハートカレッジ事務局Asami(インタビュー&文)

 

事務局A=HEセンター オンラインハートカレッジ事務局です。
2020年7月より「チャイルド•ケア•セラピー」講座が始まりました。インナーチャイルドワークの基礎「HEベーシックコース」の中でも、「リアルチャイルドは自身のインナーチャイルド」という言葉が川村さんの口からでてきますが、実際にはどのような関わりがあるのでしょうか?
今回は養成コースを卒業したセラピストでもあり、保育士としても活躍中のHちゃんを交えて話をしていきます。まずは、インナーチャイルドワークに出会い、自身の子育てがどのように変化したのかをそれぞれ教えてください。

 

Hちゃん=2年前にセラピスト養成コースを卒業した保育士のHです。よろしくお願いします。
今から4年前、長男が4歳の頃、彼はいわゆるトラブルメーカーでした。お友達と遊べばケンカをするし、暴れるし、私は手に負えなくてよく怒鳴っていました。そんな時ふと、「保育士になったら良い子育てのヒントがあるかも?」と思い立ち、必死で学んで1年後には保育士として働くようになりました。だけど現実は何にも変わらなくて…。
その頃、友人を通じてインナーチャイルドワークに出会ったんです。驚きましたよ! だって今まで出会った友人の誰もが旦那や子育ての話をすると、「だよね!」「それむかつくよね!」と同調してくれたのに、その友人だけは「へー。Hちゃんはそう思うんだね〜」という感じで(笑)。「え?なぜその反応? 一緒にむかついてよ!」とやや不信感を感じるものの、妙にその距離感や言動が気になり、私も学ぶことにしたんです。

その後、自分の内側と外側のリンクを体感させられているかのように、学びが進む一方で旦那やご近所とのトラブル、子育ての問題が起きました。さまざまな課題と向き合う中で、結果、離婚をして実家がある関西方面に戻り、シングルマザーに。今度はオンラインでHEセンターのインナーチャイルドワークを学ぶことにしたんです。

インナーチャイルドワークを学び始めた頃は「感情の責任は自分にある」ということが理解できずに、それに対しても怒りを抱いていました(笑)。だって、私がこんな感情になるのは、「旦那や子どもが悪いのに!」って。今では、完璧にできているわけではもちろんないですが、感情の波が押し寄せてきてもそれに飲み込まれてしまうのではなく、だけど感じることも大切にできているように思います。長男とは色々あるものの、以前とは比べ物にならないくらい、穏やかでいられていると思います。保育士の仕事も楽しく、子どもたちにいろんな世界を見せてもらっています。

 

川村=私はインナーチャイルドワークを続けて13年目になります。
生まれてからずっと長女の育児が大変で悩んできて、長女が2歳の頃、インナーチャイルドワークに出会いました。やっぱり私もとても驚いた記憶があって、私の場合はどちらかというと“衝撃”でしたね。「こんな良いものがあったんだ!これしかない!」って感じで、とにかくはまりました。ちょっと中毒状態だったかもしれません(笑)。5年間同じセラピストの元に通い、チャイルドに出会うことを行い続けました。その間に長男、次男を出産しています。
実はインナーチャイルドワークに出会う前は、超スピリチュアル系のワークに夢中になっていたこともありました。その時の学びももちろん私の大切なベースになっていますが、スピリチュアル一色のワークはその時は気持ちがよくなるのだけれど、どうにもこうにも現実は良くならなくって…。むしろ、現実はどんどん困難になっていきました。それまで押さえつけていたものが無意識から溢れ出てきていたのでしょうね。

私の場合はですが、徹底的に自分と向き合い、現実を見て自分自身の器を広げた後に、スピリチュアル系のワークは意味を成してくるのではないか、とも感じています。インナーチャイルドワークは徹底的に内面をみていきますし、自我ワークでもあります。現実を見れるようになってからは、ガラリと私の世界が変わりました。“スピリチュアル”というものの捉え方もです。もちろん子育ても。
今でも子育ては完璧になんてできていないし、「あの時こうしておけばよかった」という後悔だっていっぱいあります。けれど、完璧でない自分を認め、許しながらも、だけど“関わること”を諦めない私になれたと思っています。こんなふうになるとは、13年前は想像できななかったですね。

 

事務局A=私も同じくです。
私は2017年からインナーチャイルドワークを始めましたが、以前と今では、子どもへの向き合い方が全然違います。以前は、自由にみせかけた“放置”という子育ての傾向がありましたが、今ではやる時はやる、だけど楽しむことも大切にできています。 発達にかなり凸凹がある娘ですが、そのことに対しても夫婦で向き合い、周りにも助けてもらいながら、だけど娘から教えてもらうこともたくさんあり、相互に成長している感じです。

 

川村=「リアルチャイルドは自身のインナーチャイルド」というのは、インナーチャイルドワークをやればやるほど明らかに見えてくることです。

セラピーでは、「自分の内側の世界を外側に見る」といわれます。つまりこれは、私たちが現実の子どもたちをどう感じているのか? どう接しているのか? が、私たちのインナーチャイルドへの態度そのものであるということです。これは、実際に子育てをしている人だけに関わることではなくて、子どもを育ててない場合でも同じです。
例えば「子どもは好きですか?」と聞かれた時、どう答えますか? イエスかノーか。もしくは、特定の年齢の子には「イエス」だけど、それ以外の年齢の子は「ノー」という感覚がありますか?
私は自分が子どもを産むまで、全般的に子どもは苦手でした。可愛いとは思えるのですが、どう接していいか分からなかったんです。つまりそれが、私のインナーチャイルドへの態度だったということです。

私は子どもの頃、精神的に子どもでいる時間が短くて、親を助けるために早く大人になろうとしてきました。だから、子どもでいることがどういうことか分からなかったし、「子どもでいてはいけない」と思ってきたんです。ですから、リアルチャイルドにも、どう接していいか分からなかったんです…。インナーチャイルドワークに出会って、自分の内側の子どもたちに丁寧に向かい合っていく中で、最初に感じたのはリアルチャイルドの変化でした。もちろん私が先に変化したのでしょうが、私自身が自分のインナーチャイルドに優しくあればあるほど、子どもたちが心身ともに健康になっていきました。

私には3人の子がいますが、私自身も、出産するたびに健康になっていきましたし、子どもたちも末っ子の方が健康度が高いです。これを知っていたら、産む前にもっと自分を癒していたのに…と思いたくもなりますが、実際には第一子が、私のインナーチャイルドの痛みを教えてくれたからこそ、自分のインナーチャイルドに向かい合うことができたんですよね。
だからもし、これを読んでいる方が、お子さんに問題を感じていたり、お子さんとの向かい合い方が分からないと思っているなら、「それはあなた自身のこととしてまず捉えてみてください」というところからセラピーはスタートします。お子さんの年齢が低ければ低いほど、親のセラピーだけで十分と言えるくらいです。つまり、子どもに問題があるのではなくて、親自身の未解決の傷とそれによる不自然な在り方が、家族関係に影響を及ぼしているということ。これは、機能不全家族とも言います。
実際には我が子の子育てをしていない人や、もう育児を終了した人も、インナーチャイルドの育児はしています。我が子を持たない人や育児を終了した人が、自分のインナーチャイルドを育てることで、育児に悩んでいる人のことをより近くに感じ、サポーすることもできます。社会全体で子どもを育てるという意識が高まっていくと思います。

 

事務局A=なるほど。これまでたくさんのチャイルドに出会ってきたから、これがこう影響しているということは断言できませんが、私も実際の子どもの変化はたくさんあります。
印象的なものだと、視線が合いずらかった娘ですが、今ではそういったことをほとんど感じません。私が他者との境界線の感覚を取り戻したからかな~?ということも感じています。

 

川村=もちろん親と子は違う人間です。けれど、何か見えないものでつながっているんですよね。心の世界では昔から言われていますが、最近では、これは脳科学でも明らかになってきていることです。
そうそう、子育てに関して悩む方の中には、子どもを怒鳴りつけてしまうとか、暴言をなぜか吐いてしまうなどの悩みを抱えている方も多いかと思います。今から4年前の出来事なのですが、家に大きな蜘蛛が出たんです。私は虫が苦手で…。その時、それまでおだやかな時間を過ごしていたのに、急に子どもたちに「早く掃除しなさい!!!!!!」と怒鳴っていました。凪の状態がいきなり嵐に変わったような勢いでしたね。その時、ハッとしたんです。蜘蛛をみた時に感じきれなかった恐怖が、行き場を失って“怒り”としてあらわされたんだな、と。

動物は恐怖を感じた後、本能的にブルブルっと身体を震わせて、恐怖を身体から解放すると言われます。ですが動物的本能を失い、せわしなく生活する現代人は、私もそうですがそうすることができません。すると身体に残った、こういう小さな恐怖は別の吐口を見つける必要があり、イライラやガミガミで表現されてしまうんです。もしトラウマと言われるような大きな恐怖があるとしたら、より深刻なことが起こり得ます。

こんな感じで、子育てとは全然関係のない恐怖や不安、孤独が子どもたちに向けられてしまうことは起きがちだと思います。そういうエネルギーは、弱いものに向けられやすいですから。
あと、インナーチャイルドワークでいう<愛の勘違い•愛の誤解>も大いに関係していて、例えば幼少期にいつも怒られていたとか、からかわれることがコミュニケーションの一部だったり、放任されて育った場合、それそのものを<親の愛>だと信じ込んでいるチャイルドがいる可能性もあります。このような場合、想像できるかと思いますが、やはり無意識で我が子にもそのような関わり方をしてしまうわけです。

 

事務局A=なるほど…。思い返すと私も、罪悪感や不安が子どもへの怒りとしていきなり表されていたことがあります。やはり、その時の自分に本当の感情に気づくことはとても大切ですね。
<愛の勘違い•愛の誤解>では、実家は誰かと我が子を比べて落として、笑いをとってコミュニケーションする自己卑下が日常茶飯事で行われていました。無意識で娘にも旦那にもやってしまうことがあります。当時の小さな私は、本当は悲しくて悲しくて仕方なかったはずなのに…。

 

川村=子どもは自分の感情を言語で理解できません。「本当は悲しかった」という気持ちが、当時明確に分からなかったのも当然のことだと思います。

本来は、親が子どもの《健全な感情のモデル》として存在する必要があります。「それは悲しいってことだね」、「それは怖いってことだね」と、子どもの感情を受け止めて、「それでいいんだよ」と教えてあげる必要があります。これが〈子どものありのままを受け入れる〉ということです。ですがそれができない場合、子どもは自分の感情を理解できず、扱い方が分からないまま大人になってしまいます。つまり自分のありのままを知らず、社会に出ていくことになるんです。

そういえば、子育てに関して、思い出深いエピソードがあります。私は以前、長男に対して「ママのこと好き?」と繰り返し聞いていた時期がありました。長女のことでセラピーを始めましたが、次に生まれた長男のことでも十分育児に迷いました。私は一人っ子なので、男の子の育て方は無意識に父方の祖母や叔母の真似していたように思います。それは男の子を、〈悪い子〉扱いするやり方で、愛情と罪悪感の入り混じった関わりでした。

長男は混乱したと思います。長男が保育園くらいの時に「私、何かおかしなことをしているのかも?」と気がつき、セラピーを重ねました。長男との関わりが癒される中である時、息子に「ママはあなたのこと好きだよ。それは伝わってる?」と聞いていたんです。息子は「うん」と答えていました。 相手に対して「私のこと好き?」と揺さぶりをかけるような愛から、「私はあなたが好きだよ」と、“愛”を自分へ取り戻した瞬間でした。

 

Hちゃん=うちは男の子が2人いるのですが、男の子は自分と性別が違うからか、感覚が分からないな~と感じることは私もありました。まさに<悪い子>として扱い、実の息子に対して「あなたが関わるところでは必ずトラブルが起きる!」と刷り込んで、刷り込んで、刷り込みまくっていました。今思えば申し訳ない気持ちでいっぱいですが、そんなことを経て、インナーチャイルドワークの中でその真実が明らかになっていきました。

「男の子だから」「B型だから」「あいつ(元旦那)の遺伝子があるから」と頭でなんとか納得させていないととても見ていられなかった息子たちは、実は、私が子どものころ、そうしていたいのに我慢していたことを見事に表現していただけだったのです。そしてそれをしてきていない私はその関りが分からずに困っていたというわけです。嬉しい時に飛び跳ね、悲しい時に大泣きする。親の機嫌を伺いながらでなく、自分本位に感情表現することを、ずいぶん早くに諦めていた小さな私に出会うことができて、育児は大きく変わったように思います。
そうそう、保育士をしていると「子ども好きなんだね」と言われることが多くありますが、<子どもが好き>だけでできる仕事ではないとも思っています。教科書にも「保育を通して自己を高めていく職業」と書いてあるし、本当、子どもに色々と教えてもらいながら、自分を成長させていくことが大切なんだなと。私は「◎◎ちゃんはこういう子なんだね」という決めつけをしないように心がけています。家だけでなく、保育士など周りの大人が与える影響もとても大きいと思うので。

 

川村=そんなふうに意識的でいてくれる先生がいたら、とても嬉しいですね。

 

事務局A=安心します!
ところで最近の風潮として「笑ってるママでいよう」というものがあるような気がしているのですが、私はこれに囚われてしまい、すごくキツイ時期がありました。言っていることはすごく良く分かるのですが、私が楽しくないと家族が楽しくないんだとプレッシャーを感じたり、罪悪感や怒りを感じるような感覚もあって……。

 

川村=もちろん「笑っているママ」「楽しそうなママ」で居て欲しいですよね。それが自然にできていたらいいですが、どこの立ち位置からそれを行っているかに意識を向けることも大切だと思います。
楽しくないのにそう思い込もうとしたり、自分が楽しければいいからと子育てを放棄したりは、本来の意味とはズレているような気もします。この部分も、すごく個々人が育ってきた家庭の何かが関係していると思うので、チャイルドに出会っていくといいと思いますよ。

 

Hちゃん=私は<防衛>で笑顔になってしまうことがありました。育ってきた環境の中で「私は笑顔でいなきゃ」という強い思いがあったので…。けど、顔は笑顔なのに内面は怒っているという違和感は、子どもにしっかり伝わっているとも感じます。

 

川村=うちは母が怒らないで我慢するタイプでした。「本当は怒っているよね」っていうのは、子どもの頃感じていましたね。だから、寂しくなったり、言葉にできない不満が出てくると、母を怒らせるようなわがままをしました。子どもが親の感情を代弁していたのかもしれません。
完璧な母親はどこにもいないし、年齢によって出てくる問題や悩みもさまざまです。セラピーを学んで陥りがちなことは、子どもに「問題」が起こらないようにしようとすることだとも思います。型にはめようとすることも、普通という何かに沿わせようとする必要はなくて、だけど違和感を無視し続けて「個性だ!」ということも違うかもしれない。子育てに答えはありませんね。
子どもの人生に覆いかぶさる<肥大化した母性>に自分がなっていないか、なっていたとしたらそこにいるチャイルドに会いに行くこと。自分との対話が子育てに大切なことだけは確かだと思います。

 

事務局A=子育ては本当にたくさんのことを感じさせ、気づかせ、教えてくれますね。 Hちゃん、川村さん、ありがとうございました。今後も「家系から受け継ぐもの」や「美しさとインナーチャイルド」などのインタビューを予定しております。 どうぞよろしくお願いします。