小さな準備
2020.9.4
ハートエデュケーションセンターが提供しているインナーチャイルドワークとは、シンプルにいうならば、自分が普段知らず知らずに使っている防衛という戦略を見抜いて、それを落としていく作業のことです。
防衛というくらいだから、それは、つまり、何かをかばっているということ。
では、かばっているのは何なのでしょうか?
それは、まさに弱い(と思い込んでいる)自分であり、認めきれない自分であり、痛みであり、苦しみのことです。
だけど、防衛というのは、ほとんどの場合、無意識で発動されていて、それが防衛だと気がつくことそのものが、容易ではありません。
さらに、それが防衛だとわかったとして、その奥にある痛みに触れることは、どれほど勇気が必要でしょう。
ずっと隠していた何かを、簡単に表に出せるほど、私たちは、この世界を信頼してはいないのです。
つまり、その弱みを外に出して生きていけるほど、自分が強いと信頼しきれていないということです。
自分への信頼が確立されるまでは、その防衛は防衛として認識されません。
つまり、防衛は解かれないのです。
自分こそが、弱みを受けとってくれると安心できるまでは、防衛は、正論として立派にそこに居続け、役割を果たし、私たちは、無意識にそれを振舞い続けます。
だけど、そうしている間は、ちっとも自分を生きてはいないのです。
むしろ、すべてが、防衛によって選択されていて、私たちの人生は一向に花開かないままなのです。
だからこそ、まずは、防衛の構造について理解してみるといいでしょう。
学んだからといって、それが、自分のことだって、決めつけなくてもいいし、責めたり反省したりしなくていいのです。
「こんな風に防衛が成り立っている」「こんなことがあり得る」っていう、そんな地図を手に入れるだけで十分です。
そうしたときに、ふと、自分の中に気づきが降りてくるでしょう。
それは、その防衛というガチガチの正論の一瞬のほころびを見るような感覚に近いかもしれません。
そして、その一瞬のほころびを見逃さないでいてください。
そうして、それが、防衛だって知った時、私たちは、ようやく、その奥にある痛みに向かい合う準備ができるのです。
こうすれば良いっていうノウハウは巷にあふれています。
それらに従うことは確かにある程度までは意味があるでしょう。
だけども、防衛の奥にある痛みに向かい合うことなく、防衛は解除されません。
つまり、本当の自分の選択はできず、人生は花開かないのです。
本当に自分を生きたいなら、まずは、痛みに向かい合う準備をしてみましょう。
小さな準備でいい。
水筒と食べ物をリュックサックにつめて、これから、自分だけの花を見つけに行くハイキングにでかけるような気持ちで。
ワクワクとドキドキに満ちながら、ただ、準備をしてみましょう。
それだけで、人生の流れは大きく変わっていくでしょう。
本当の運命、生きたかった人生がスタートするのはそれからです。
※この記事は、過去のブログを加筆修正しています。
ライター- 川村法子 2018年2月8日ハートエデュケーションセンター、Pranava Life代表。これまでに不登校、ひきこもり、心身症、アレルギーなどの身体の症状、依存症、DVや小児期の虐待(身体的、精神的、ネグレクト、性的)によるPTSD、関係性の問題、お金や仕事の問題などを、解決へと導いてきた…