サバイバーたちが、自分の限界と健康的な恥を知らないことは、彼らの関係性にも影響を与えます。

サバイバーたちは、大人になっても、あらゆる形で他者から境界線の侵入を受けて苦しみますが、実は、彼ら自身も、相手の境界線へ侵入しがちであることは、本人たちにはあまり自覚がありません。

場合によっては、自分の境界線に侵入される痛みすら感じていないことがあります。

彼らにとって大切なのは、無価値観や罪悪感などの自己尊厳を破壊する不健全な恥から脱却して、健全な恥を知ることです。

それは、自分という境界線の認識です。

自分を知るということは、以下のようなことが挙げられます。

● 自分にはできないことがあっても良い

● 自分には特徴(個性)があって、その特徴(個性)のために、状況によっては、誰かの助けを必要とする

● 自分の間違いを認めて、相手へ謝罪する

● わからないということを恥によって隠さず、認識する

● わからないことを素直に質問する

などが挙げられます。

健全な恥とは、謙虚さや控えめさと同時に、自分を無理強いさせることのない、自分への優しさでもあります。

恥の意識は、動物には備わっていない感情で、恥によって、人は人であることができるのです。

自分の限界を知ることは、この世界を生きる上でとても大切です。

限界と恥を知り、境界線を持っている人は、内側のアイデアを形にして、個としての自分を、この世で表現することができます。

一方、限界を超えることばかり意識をしている人は、自分であることを許せず、自分以上の誰かになることを求めているので、形にしたり結果を出すことが難しくなります。

この不健全な恥は、家族の中で育ち、受け渡されます。

不健全な恥を持つ人は、子ども時代に「宿題をしなさい」ではなく「お前は何をやってもばかだ!」とか、「お皿を洗うのを手伝って欲しい」ではなく「お前はグズでダメなやつだ!」というメッセージを受け取り続けています。

それを伝えてしまった保護者自身の自己価値の低さが伝染しているのです。

不健全な恥は、このようにして、多世代に渡って、受け渡されていきます。

※この文章を読む際の留意点
虐待の定義は、身体的、精神的、性的、ネグレクトと言われていますが、サバイバーの傷は、外部から見えやすい定義可能な虐待だけが原因とは言えません。ハートエデュケーションセンターでは、外部からはわかりにくいケアされない痛み、つまり、親が子の感情をネグレクトすること、バーストラウマ、機能不全家族の問題、家系から受け取ってきた負の連鎖なども、サバイバーを生み出す原因であると考えます。

※この記事は、過去のFacebookページの投稿を加筆修正しています。