脳と丹田から感じるプレゼンス(2020/12/8)

ハートエデュケーションセンターの川村法子です。

前回のメルマガに、個別にご感想をいただいたりして、とても嬉しかったです。

※前回のメルマガは配信のみで、ここには掲載されていません。

小心者の私は、外では言いづらいことを、ときどき、メルマガではっきり言ってみたいと思いますよ(笑)!

ところで、今日は、「脳と丹田から感じるプレゼンス」について、話してみたいと思います。 巷ではよく、「ナウヒア(now here)」とか「いまここ」と聞きますが、それが、プレゼンスと呼ばれる感覚ですね。 セラピーも、そのようにあることを目的としています。

過去のあれこれに囚われたり、未来を思い煩うのではなく、いまを生きるための手法が、セラピーなんですね。

ただ、元トラウマサバイバーとして思うのですが、「過去のことはもういいから、いまここに居て」と言ったって、神経や脳機能に損傷を負っていますから、考え方を変えるやり方では、サバイバーはいまここにはいられません。

「過去はもう終わったこと」という当たり前の事実が、サバイバーの神経細胞にとっては、当たり前ではないのです。

過去に生命を脅かされた体験が、今も私たち中でアラートとしてなり続け、ストレスホルモンで体が苛まれているのです。

大まかに言って、以下のプロセスを通ることで、トラウマサバイバーは、やっと、過去を過去にすることができます。

①痛みの認知→②麻痺した痛みのフェルトセンス(体感)を取り戻す→③痛みの感情の言語化→④痛みの感情のリリース ですが、認知能力そのものが壊れているサバイバーにとって、まず最初の「痛みの認知」こそが、とても難しいものとなります。

そして、痛みが認知ができるまで、サバイバーは、あらゆる防衛を繰り広げます。

中毒もそうですが、孤独や、逃避、模倣、境界線の侵入、パワーゲーム、などなどなど。。。 ここにあげるとキリがないですが、セラピーの現場に持ち出されるあらゆる相談事が、痛みを認知する以前の防衛の問題です。

つまり、サバイバー状態では、①の段階にも一人では到達できず、それを隠すための無意識の防衛に、意識が乗っ取られているのですね。

そんな状態で「いまここにいましょう」なんて言っても、いられるわけがないのです。

ですから、サバイバー状態で瞑想するとき、頭の中がごちゃごちゃで苦しくなって、座っていられなくなるということが起こっても、不思議ではありません。

それは、集中力がないとか、落ち着きがない性格だというわけではないのです。

座っていられないほど、落ち着いていられないほど、その人の内側では過去の恐怖からくるアラートがなり続けているのです。

ですが、セラピーを通して、一度でもプレゼンスが感じられたら、アラートは止まります。

また、別のアラートがやってくるかもしれませんが、一度でもプレゼンスを取り戻したら、その感覚を頼りに、道を歩み続けることができます。

私にとってプレゼンスとは、リトリートや瞑想グループ、トレーニングなどに参加した後に得られる感覚、もしくは、深い気づきの後にやってくる体験でした。

自分の体の動きに繊細な意識が向けられて、時がゆっくり流れ、体の中から世界を見ているような感覚。

だけど、ママチャリ乗って買い物に出かけているとその感覚は忘れちゃうし、週末に息子の野球のあれこれで忙しくしてる時などは、まずもって意識できません(笑)。

それでも、以前みたいに、体から精神が抜けちゃうとか、野球の応援にもいけないほど体調が悪いとか、もはや野球すらさせてあげられないくらい孤独な状態じゃないだけでも、セラピーと瞑想からの恩恵を十分に受け取ってきたと言えるのです。

10年前だったら、こんな毎日は送れなかったはずですから。

●「サバイバー回復レポート」始めました!(Vol.1〜3) https://hearteducation.center/category/blog/journey

そんな中、なんとか健康的な生活を取り戻した今だからこそ、もっともっとプレゼンスを日常に取り戻したいと思い、先日、<脳から感じるプレゼンスのレッスン>を受けることにしました。

コロナ禍で、参加したいと思っていたワークのキャンセルが続き、今年は、なかなかセッションを受けることもできないでいたのですが、オンラインでスタートした<脳から感じるプレゼンスのレッスン>が、私にとっては、とても効果的で、その質の高さに驚いています。

そして、今感じていることは、「プレゼンスは、決して、特別なものではない」ということです。

特別な瞑想やセラピーによって得られるものじゃなくて、日常のこの瞬間にあっていいもの。 そして、それは、良くも悪くもない、ありのままの状態の俯瞰でした。

「首が痛いんだな」「肩が張ってるんだな」という体への気づきがやってきて、部屋の中の空気が繊細に感じられ、レッスンが終わった後も、子どもたちに書き置くメモの文字もなんだか丁寧で、料理をしていても、キッチンの床に足の裏がぴったりくっついて、体も安定し、自分の手の動きにも繊細でいられました。

21時を回ると、眠たくてしょうがなくなり、受験生の娘が遅くに帰宅するのを待てずに、リビングで半分寝てしまいました。

プレゼンスの力って、すごいですね。

もちろん、これはセッションギバーの長年の経験の中でもたらされたものなんでしょう。

「プレゼンスのスペースは、とても広いのです。」というその方の言葉が、深く深く心に残りました。

ハートエデュケーションセンターでは、インナーチャイルドの感情を受け止めることで、ハートを育てながら、「ハートのスペースはとても広い」ということを伝えてきました。 そして、脳からもたらされるプレゼンスも、とても広く、脳とハートの両方が、このスペースを作っているのだと確信しました。

昔から、日本人には3つの丹田があると言われてきました。 下丹田、中丹田、上丹田と言われますが、それは、肚と、ハートと、脳に位置しています。

私たちが伝えていることでいえば、下丹田(肚)はインナーチャイルドの本能的な感情、中丹田(ハート)は成熟した大人の愛、上丹田(脳)は気づきですね。

そのどれが取り残されても、プレゼンスはやってきません。

インナーチャイルドたちのほとばしる命の躍動をありのままに表現し、成熟したハートが愛によってそれを許し、気づきをもってそこにある。

プレゼンスとは、この3つの連携によってなされるものなんですね。

それを体験するために、サバイバーは、とにかく、認知能力(脳機能)を向上させること、成熟した大人の質を理解すること、本音を出すことをトレーニングしていかなければいけません。

つまり、これは、丹田の上から下に向かう流れ(脳→ハート→肚)です。

もちろん、本音がやってきて、それをハートが受け止め、気づきをもってそれを観ているという、下から上に向かう流れ(肚→ハート→脳)も、私たちにプレゼンスをもたらしてくれます。

丹田の上下運動が、私たちを、いまここに連れてきてくれるのですね。

継続中の<脳からはじまるプレゼンスのレッスン>も、もう少し続きそうですが、ここから、また、みなさんに伝えていけることがあればと思っていますよ。

今月は、HEベーシックコースの動画視聴コース(初級)の発売予定、また、エナジェティックリレイションシップ〜わたしとお金の関係性がスタートします。

また、それ以外の単発講座、オンラインカレッジクラスも、盛りだくさんです!

まだまだ、ハートから始まるプレゼンス開発をやっていきましょうね♡

 

ハートエデュケーションセンター

川村法子(イーシャ)

2020年12月8日配信

ライター
  • 川村法子 2018年2月8日川村法子
    ハートエデュケーションセンター、Pranava Life代表。これまでに不登校、ひきこもり、心身症、アレルギーなどの身体の症状、依存症、DVや小児期の虐待(身体的、精神的、ネグレクト、性的)によるPTSD、関係性の問題、お金や仕事の問題などを、解決へと導いてきた…