運命とか性格とか

2020.5.23

2種類の関わり方

人と人との関わりは、大きく分けて、2つのやり方で行われる。

一つは、言語や行動という《目に見える関わり》。

もう一つは、非言語的、非行動的でありながら、潜在意識のレベルで交流する《目に見えない関わり》。

前者は、私たちが通常、意識的に認識できる関わり方で、それは、挨拶するとか、微笑むとか、目に見えて、耳で聞くことができる関わり方と言える。

そして、後者は、意識的には理解できない関わり方で、抑圧されて表現されない感情によっても、私たちは無意識で交流している。

「家族にあった不幸が、その後三代は影響する。」なんていう「嘘か誠か!?」みたいな話も、この法則のことを語っていて、それは、実は三代どころではなくて、もっともっと下の代まで影響する可能性がある。

語られないもの

抑圧されて語られなかった出来事が、無意識で世代を超えて受け継がれることが、ファミリーコンステレーションの世界では明らかになっている。

そして、実は、そっちの方が、言語や行動による意識的関わりよりも、はるかに威力があることが知られている。

つまり、逆を言えば、内側に秘めたものは、遠慮して語られないでいるよりも、堂々と語られることで、さほど影響を持たなくなる。

だけど、語られずに、抑圧されたものは、そこにくすぶり続け、元あったものよりも複雑なものを形成していく。

最初の物の原型をとどめてはいないから、後から出来上がったものを見たって、それが後付けの偽物だなんて、誰も気がつかない。

そして「なぜ、それがそこにそのようにあるのか?」という答えはわからないまま、それはそこに居場所を見つけてしまう。

それは、まるで、招かねざる客が、勝手に家の中に上がり込んできて、ちゃっかり自分の部屋を見つけてしまってるようなもの。

運命とか、性格とかいうものは、大体こんなものかもしれないと思う。

悲しみが悲しみのまま

恐れが恐れのまま

怒りが怒りのまま

喜びが喜びのまま

ただ、そこにありますように。

ライター
  • 川村法子 2018年2月8日川村法子
    ハートエデュケーションセンター、Pranava Life代表。これまでに不登校、ひきこもり、心身症、アレルギーなどの身体の症状、依存症、DVや小児期の虐待(身体的、精神的、ネグレクト、性的)によるPTSD、関係性の問題、お金や仕事の問題などを、解決へと導いてきた…